信頼に基づく新経済圏の環
(2024年12月)

3.2 未来のために何をすべきか - 日本経済の持続性を高める適切な壁(環)の構築

福岡功慶の写真 福岡 功慶
PROFILE
2007年東京大学工学部計数工学科卒、2018年米国イェール大学 総合学術大学院 国際・開発経済学修士。
国家公務員として化学産業、ヘルスケア産業の振興業務に従事。その後、タイへの駐在、インフラ輸出や日本企業の海外サプライチェーンの高度化、南西アジアの担当を経て、現在は洋上風力事業の推進を担う。
そのような中、民間有志との議論を通じ、現場の問題意識に基づき、真に社会に影響力のある政策案を立案したいという思いから、Policy makers labを設立。

過剰依存対応に向けた国際連携:透明、強靭で持続可能なサプライチェーン・市場の確保

 過剰依存の軽減や保護主義の連鎖の回避に向けて、同志国との連携が不可欠です。サプライチェーン強靭化に向けて、昨年、日本は「日米重要鉱物協定」や「IPEFサプライチェーン協定」の署名などに取組んでいます。今後は、マーケットメカニズムの正常化に向けた更なる連携に取り組んでいくことが重要です。

 マーケットメカニズムの正常化には、戦略物資を中心として、米国IRAや欧州のネット・ゼロ産業法などと日本のGX基金の協調など、サプライサイドのみならずディマンドサイド支援措置等で政策協調を図ることが効果的です。そして、米、欧との取組を将来的には、グローバルサウスの国々に広げていくことで、過剰依存構造の脱却を目指します。

目次

環の構成

3. 未来のために何をすべきか